目立つ色の組み合わせを考えるポイントとは?色の特性について解説

事業やイベントにおいて、看板やのぼり旗、広告幕などのアイテムは、販促効果を高めるために欠かせません。新たな顧客を引きつけるためには、できるだけ目立つ色を使ってアピールしたいと考えるでしょう。
しかし、どの色を選び、どう組み合わせるべきかに悩む方も多いと思います。この記事では、集客や販促に効果的な色の選び方や配色パターン、さらに注意すべきポイントについて詳しく解説します。
効果的なデザインとテキストの配色を考慮し、人々の目と心を引きつける販促物の制作に役立てていきましょう。
目立つ色の組み合わせに重要なポイント
「目立つ色」を考慮する場合、色の選定だけでなく、その組み合わせにも注意が必要です。ここでは、配色における補色と類似色の特徴について解説します。
補色と類似色を活用する
目立つ色を考える際には、まず色相環をイメージすることが大切です。色相環は色味の違いを環状に並べたもので、色の関係性を視覚的に捉えるためのツールです。
補色とは色相環で互いに反対の位置にある色のことを指し、赤と青緑、青とオレンジなどの組み合わせが代表的です。補色を組み合わせると、互いの色を引き立たせ、視覚的に強いインパクトを与えられます。

一方、類似色は色相環で隣り合う色のことを指し、赤とオレンジ、青と緑がその例です。類似色を使用することで、デザイン全体に統一感をもたせながら自然な配色を実現できます。

このように、色の特性を理解して配色を考えるのは美しいデザインを作るだけでなく、ビジネスにおける効果を最大化するための戦略的な要素となります。
明度差を大きくする

明度とは色の明るさの度合いを指し、その違いによって色の印象や見え方が大きく変わります。同じ色相でも、明度が高いと鮮やかで軽やかな印象に、明度が低いと暗く重厚な印象を与えます。
たとえば、青にも爽やかで明るい空をイメージさせる青がある一方で、夜の闇を思わせる黒に近い青など多様です。配色を考える際、すべての色の明度が高いか低いかに偏ると、色同士が馴染みすぎてデザインが目立たなくなる可能性があります。
販促効果を高めるためには、明暗のコントラストを付けて視覚的に引き締まったデザインにすることが重要です。
彩度差を大きくする

彩度とは色の鮮やかさの度合いを表します。同じ青色でも、彩度が低いとグレーが混ざったようなくすんだ青になり、彩度が高いと原色に近い鮮やかな青になります。
赤や緑のような原色は、鮮やかでビビッドな状態では彩度が高い色です。しかし、白や黒などが混ざると暗めの色合いになり、「彩度が低い」と表現されます。
配色を考える際は、彩度差を活用しましょう。文字(あるいはイラスト)と背景色の彩度を異なるように設定することで、デザインがより際立ちやすくなります。
ハレーションに注意する
デザインにおける「ハレーション」とは、色の明度差や彩度が高すぎる色同士の組み合わせによって、目がチカチカするような印象を与える現象を指します。
特にSNSやWEB広告では、一瞬で目を引くために意図的にハレーションを使うこともあります。しかし、鮮やかな黄色と紫の組み合わせは強いインパクトを与える一方、視覚的にストレスを感じさせる場合があるため、注意が必要です。
ハレーションを利用する際は、ターゲットや広告の目的に合わせて慎重に検討し、視覚的な負担を最小限に抑える工夫が必要です。

▼ハレーションをうまく組み合わせたデザイン例

色の特性を理解しておく
色相や配色だけでなく、色の特性を理解することも、効果的なデザインの鍵となります。ここでは、3つの特性について詳しく解説します。
「視認性」を意識して見やすくする
視認性とは、遠くからでもテキストや広告の内容が見やすく、即座に理解できる度合いを指します。
視認性を高めるためには、背景と文字の明度差を大きくすることが重要です。明度差が大きい場合、色の対比が強調され、視覚的に情報が際立ちます。また、イラストを使う場合も、背景に対して形がはっきり浮かび上がるようにデザインすることが大切です。
さらに、背景と文字の間に白や黒のセパレーション(境界線)を追加することで、視認性が一層向上します。

「誘目性」を意識して注意を引きつける
誘目性とは、特に意識して探さなくても、自然と視界に入ってくる色やデザインのことを指します。誘目性が高い配色やデザインは、無意識のうちに見る人の注意を引きつけ、情報を効果的に伝えることが可能です。
赤と黄色、あるいは黒と黄色の組み合わせや、緑の背景に白い文字は視覚的に強いコントラストを生むため、誘目性が高いとされています。特に赤や黄色は人々の注意を自然に引き寄せる力があり、交通標識や警告表示などでもよく使われます。

「可読性」を意識して読みやすくする
可読性は、文字が見やすく情報が正確に伝わる度合いを指します。デザインにおいて、ただ目立つだけでなく、内容をすぐに理解できるようにすることが重要です。
まず、背景と文字のコントラストを高めると、文字が鮮明に浮き立ち、読みやすくなります。特に黒と白、黄色と黒のような配色は、視覚的な明確さを提供します。ただし、過度なコントラストや派手な色の組み合わせは避けたほうがよいでしょう。
可読性を意識した配色は、デザインの質を高め、情報を正確に伝えるために不可欠な要素です。デザインの統一感や彩度の調整を意識し、読み手が快適に読めるよう配慮しましょう。

場所に応じて目立つ色の組み合わせは異なる
販促グッズの効果を最大化するためには、使用される場所によって異なる目立つ色の組み合わせを考慮することが重要です。明るい場所と暗い場所では、色の見え方が大きく異なるため、それぞれの環境に適した配色が求められます。
明るい場所で目立つ文字色と背景色
明るい場所では、周囲の光が色の見え方に影響を与えるため、コントラストを意識することが重要です。暖色系(赤、オレンジ、黄色)を多く使うと、明るい場所では周囲と溶け込みやすくなり、かえって目立ちにくくなります。
効果的な配色として、たとえば、赤や黒の背景に黄色の文字、青い背景に白字などがあります。明るい場所で設置するデザインや配色を考える際は、文字と背景のコントラストが強調され、はっきりとした視認性を保てるように注意しましょう。

暗い場所で目立つ文字色と背景色
暗い場所や夜間での視認性を確保するためには、色の選び方が重要です。まず、明るい黄色や白は高い明度と彩度をもち、暗い場所でも視認性が高く、目立つ色とされています。
たとえば、明るい黄色の背景に紫の文字や、赤い背景に白い文字は、夜間でもしっかりと視認できます。これに対して、黒や濃い青などの色は昼間は目立ちますが、暗い環境では背景と同化しやすく、視認性が低くなる傾向にあります。
暗い場所で目立つためには、明度・彩度の高い色を選び、適切なコントラストを確保することが大切です。

それぞれの色がもつイメージ
色にはそれぞれ連想されるものや与える効果が異なります。そのため、パネルを見た人にどんな印象を与えたいかをイメージしながら使用する色や配色を考えることが重要です。
ここでは、赤色・青色・黄色・緑色・白色・黒色がもつイメージをご紹介します。
▼赤色がもつイメージ
赤色は情熱や闘志、エネルギッシュなどポジティブな印象を与えると言われています。また、注目を集める色とされているため、広告や商品のパッケージなど目立たせたい場面で使用される色です。
▼青色がもつイメージ
青色は知的や誠実、冷静など落ち着きや冷静さを連想させる色と言われています。清潔感を連想させることにも期待ができ、青色は病院で用いられる場合もあります。
▼黄色がもつイメージ
黄色は元気や幸福、警戒などを連想させる色と言われています。人に注意喚起をしたい場面で使用されることが多く、道路標識や点字ブロックなどで使用されています。背景色が黒色の場合、夜や暗い場所で目立つ色となります。
▼緑色がもつイメージ
緑色はリラックスや協力、自然などを連想させる色と言われています。見る人を穏やかにさせる効果にも期待ができるため、薬局や健康食品を紹介するパネルでの使用に適してます。
▼白色がもつイメージ
白色は清潔や上品、純粋などを連想させる色と言われています。そのため、病院などで清潔感を連想させたい場面でのパネルにおすすめの色です。
▼黒色がもつイメージ
黒色は高級感やモダン、重厚感などを連想させる色と言われています。高級感を演出したい店舗で使用されることがあります。ただし、夜や暗い場所で使用する場合は目立ちづらい色となるため、注意が必要です。
まとめ
今回は目立つ色の組み合わせを考える際のポイントを解説していきました。色相や配色だけでなく、色の特性を理解することも、デザインをつくるうえで重要な要素です。デザインを作成する際には今回のコラムをぜひ参考にしてください。
当店では、目立つ色を使った配色のパネルやポスターを印刷することができます。今回ご紹介した目立つ色の組み合わせを参考に、パネルやポスターなどを印刷する際はぜひ当店をご確認ください。
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