展示会のブースレイアウトのコツ!来場者を集客できる設営・装飾方法

展示会に出展し、ブースへの集客を成功させたい場合、会場やイベントの趣向とブースの出店位置、装飾やレイアウトなど、さまざまな要素に気を遣う必要があります。
展示会のブースは自由なスペースが与えられるため、さまざまな集客グッズや装飾品を好きなように配置してレイアウトすることができます。一方で、その自由さから「何をどのように配置すればいいのか分からない」「どうすれば集客できるブースになるか悩んでいる」という方もいるのではないでしょうか。
本記事では、展示会ブースの集客力を高めるため、確認すべきポイントやレイアウトのコツ、種類ごとのレイアウトの例など、ブース設営方法について詳しく解説します。
展示会ブースのレイアウトに影響するポイント
展示会ブースのレイアウトは、出展位置や出展内容によって適切なものが異なります。まずは、展示会ブースのレイアウトに影響する要素を確認し、自分たちがどのようなレイアウトにすべきかを考えてみましょう。
ブースの出展位置や来場者の導線
展示会では、まず会場において自分たちの出展スペースやブースがどのような位置にあるかを把握することが大切です。展示会のブースと言っても、会場自体のレイアウトやイベントの規模などによってさまざまな形態があります。自社のブースの位置はもちろん、それ以外の設備との位置関係によって、来場者が訪れやすい位置なのか、競合ブースが多いエリアなのか、などが変わります。
まずは、以下のような点について確認しましょう。
- 入り口付近やトイレ、休憩所など、来場者が利用する機会が多いと思われる場所と自分のブースとの位置関係や距離はどうなっているか。
- 来場者が歩くと思われる通路や進路はどのようになっており、どの程度の広さがあるのか。
- 会場の規模に対して見込まれる来場者が多いのか少ないのか。それによって当日ブースの前の人混みがどのようになるのか。
- 競合ブースが多いエリアなのか、独立しているのか。
- 自分のブースの規模感や、他のブースとの規模の差はどのくらいか。
- 特設ステージなどがある場合は、位置関係はどうなっているか。
- 周辺ブースを訪れるであろうユーザー層と自社のターゲットは近いのか。
このように、出展位置や規模から想定されるメリットや課題を事前に把握しておくことで、対策すべき内容や活用できる利点などが見えてきます。
また、展示会ブースの位置は先着順で良い条件のところから決まる場合や、抽選で決まるケースもあるため、事前によく確認して早めに応募することも大切です。
ブースの開放面の数と特徴
展示会のブースは通常正方形や長方形などに区切られていますが、位置や会場自体のレイアウトによって、通路に面している箇所が異なります。ブースの開放面の数によってできるレイアウトやメリットも異なるので、それぞれの特徴をよく知っておきましょう。
1面開放ブース

イベントや展示会ではよく見る定番の形式です。出展数が多い展示会ではこれらが連なった島が数多く存在し、島で挟まれるように複数の通路ができています。通路を歩きながらブースを見ている来場者に発見してもらえる一方で、混みあっているとターゲットユーザーに見つけてもらいにくい場合もあります。また、並んでいる他のブースとも比較されやすいので、スタッフの動きや集客グッズの配置も重要になります。条件的に他の形のブースよりも出展費用が安価になるケースもあります。
2面開放ブース

通路に対して2面が解放されている形式です。通路の途中に配置されている場合であれば両方の通路を通る来場者にブース来訪を促すことができます。角であれば、入り口を広くとることができることもメリットです。入口と出口を作って一方向に進んでもらう様な作りにもできます。入り口を広く取れたり、入る場所が分かりやすくなることで集客効果も期待できます。ブース来訪者の動きを作りやすいので、荷物を隠すスペースや物を置くスペースも確保しやすいのが特徴です。
3面開放ブース

3面が解放されている形式のブースで、島の端に配置されていたり、壁際に独立して配置されていたりします。ブースに入る手段が多いため、より多くの人々にブースを来訪してもらえる可能性があります。また、通路の折り返し地点にもなるので、目に入りやすいことも利点です。ただし、複数方向からの来客に対応できるようなセッティングや人員、スタッフの臨機応変な動きが必要になることもあるため、運営にある程度の慣れが必要な形態でもあります。
4面開放ブース

4面全てが解放されているブースは、ブースが個別で独立していてよく目立ち、広いスペースをとれることや各方面からの集客に効果を期待できます。大きな製品を見せる場合などは特に適している仕様です。一方で、好条件という点から出展費用が高額になる場合があることもあります。また、四方から訪れる来場者に対応するためスタッフの人数や慣れが必要になったり、各方面から見られても大丈夫なように荷物や製品、装飾グッズの配置が課題になったりすることもあります。
ブースの形状や面積(小間)
展示会ブースの面積を表す言葉としてよく使われるのが「小間(こま)」です。小間とは一つのブースごとに仕切られたスペースを指し、1小間のサイズは3m×3mです。ただし、近年では3m×6mのサイズもあります。

出展者は、1小間もしくは複数小間を獲得して出展ブースを設置します。出展ブースを設計する際は目的に応じた小間合わせを行い、展示品の配置などを決めることが重要です。
展示会によっては、2階建てブースや高さのあるモニュメントなど中規模から大規模な小間を活用する場合があります。主催団体や展示会場の規模によってサイズや制限が異なるため、事前に決められている小間の面積を確認しておきましょう。
目的にあったブースの種類
展示会は出展する目的にあわせてブースを設営することが大切です。展示会で何を伝え、どのように参加者にアプローチするかによって、適切なレイアウトなどが異なります。
以下より、目的に合わせた展示会ブースの種類と特徴を紹介します。
【製品展示型】

製品展示型ブースは製品やサービスの実物を展示し、来場者に直接見てもらうことが目的です。実際に手に触れて見たり体験したりできる場となり、製品やサービスの良さを実感してもらうことができます。製品展示型ブースは以下のような事業のブースに活用されます。
- 製造業: 装置や製品の展示
- 食品業: 新商品の試食や飲食の提供
- 小売業: 新アイテムの展示や販売促進活動
製品を並べるための什器などが必要になるほか、商品をアピールするためのバナースタンドやタペストリー、パネルなどの装飾も効果的に活用するのが良いでしょう。スタッフは製品やサービスについての詳細な説明を行い、来場者からの質問に応えます。お客様の疑問点を解消するとともに、製品の使い勝手や品質などを示して魅力を伝えることが重要です。
【体験型・セミナー型】

体験型・セミナー型ブースは、一度に多くの人を集めて商品やサービスを実際に体験してもらいながら具体的に説明する際に使われます。体験やセミナーを通じて来場者が、商品やサービスの使用感や価値を理解しやすい点がメリットです。
来場者の席を設定して聞きやすい仕組みをつくったり、動画では伝わりにくい内容を実演したりする方法が取られます。適用例として、以下のようなブースが挙げられます。
- ITシステム開発: ソフトウェアやアプリのデモンストレーション
- 教育サービス: 教材の無料体験や教育プログラムの紹介
- フィットネスジム: エクササイズやパフォーマンスの実演
体験・セミナーブースを設営する場合は、座席や音響機器、プロジェクターなどを準備するなど、体験以外の要素で来場者がストレスを感じないように工夫しましょう。実演や客席などの十分なスペースを確保することや、通路からブースを見やすくするためにも開放的な見た目にし、壁などにはパネルなどを活用してサービスのアピールができます。
【商談型】

商談型ブースは商談をメインとしたもので、来場者と直接対話して契約や提案を進めます。新規の顧客獲得はもちろん、既存顧客との関係性を強化する際にも有効です。
まずは、商談を行うための専用スペースを確保しましょう。来場者とゆっくり話す環境を提供し、お客様のニーズに合わせた提案を行います。商談型ブースは、下記のような場面で使われます。
- フランチャイズ展開:新規加盟店との契約交渉
- システム導入相談:カスタマイズされたシステム導入の提案
- 資産運用商談:金融機関や投資会社との契約交渉
来場者のなかには、企業の認知度を信頼して訪れる新規顧客も含まれます。適切な商談スタッフを配置し、それぞれの顧客に適した対応ができる仕組みを整えましょう。
【パネル展示型】

パネル展示型の目的は、商品やサービスの導入事例や成果を示し、導入先の課題と解決策を伝えながら信頼感を高めることです。
大型パネルやポスターを活用し、実績を視覚的に伝えるなど説得力を高める必要があります。また、実績の説明や成功までの流れを口頭で説明する際は、来場者の関心を引き付ける話し方やフレーズの選定にも配慮します。パネル展示型の事例は下記のとおりです。
- 教育システムサービス: 学校や教育機関への導入実績
- 業務支援サービス: 企業の業務改善事例の紹介
- 実績提示: 企業の実績や成功事例をアピール
来場者をブースに引き込むためには来場者の動線を考慮するのはもちろん、パネルのキャチコピーや文字の大きさ、デザイン、カラーなどを工夫しましょう。
集客ができる展示会ブースの作り方
展示会ブースの特徴やレイアウトの違いを把握したら、実際に自分のブースをどのように作るかを考えていきましょう。ここでは、集客につながる展示会ブースの作り方やコツ、注意点などについて説明します。
遠い位置や人混みの中でも興味を持ってもらえるようにする
展示ブースを設営する際は、遠い位置や人混みのなかでも興味を引きつける要素を取り入れなければなりません。下記のポイントを参考に、来場者の注意を引く要素を取り入れましょう。
- 来場者の会場での動向や思考を意識する。
- 来場者の目に入った際に、瞬時に興味をもってもらえるデザインにする。
- 一番伝えたいことが一目でわかるようにする。
- 競合ブースとの差別化を図る。
- 照明や音声、動画で注意を喚起する。
展示会を訪れる来場者の目的は人によって異なります。訪れるブースが決まっている人もいれば、多くのブースを回りたいと考える人もいるでしょう。「気になるブースには入りたいが、担当者の話で時間を取られたくない」と考える人もいるので、ブースの展示や装飾だけでもアピールポイントが十分に伝わるようにし、スタッフは伝えたい内容の要点を絞って簡潔に説明できるようにしておきましょう。相手を見極めて、より興味を持ってくれているようであればさらに細かい話をするなど、臨機応変に対応しましょう。
また、最新のテクノロジーを駆使してエンターテイメント的に情報提供を行う手法(デジタルサイネージ)は視覚と聴覚を刺激し、来場者の関心を引きます。
装飾やデザインをターゲットにあわせる
ブースのデザインは単に目を引くためだけではなく、ターゲット層に合わせて適切な物を考えましょう。下記の注意点を念頭におき、適切な装飾やデザインを採用しましょう。
- 派手さではなく内容の充実とターゲットへの訴求力を高める
- 来場者の属性やニーズを把握して、求めている内容が分かりやすいデザインにする
- 自社や自社製品・サービスの個性や特徴を表現し、他社との差別化を図る
ターゲットとなる来場者が、自社ブランドを知っているかどうか、どの分野に興味関心を抱いているかなどを考慮して、デザインやレイアウトを採用します。1つ1つのキャッチコピーや配色も集客における重要な要素になるので、手を抜かずしっかりと考えましょう。
ブース内を回遊しやすい導線づくりをする
ブース内で来場者が回遊しやすい動線づくりをすることも大切です。以下の例を参考に、来場者に配慮しつつ効果的に自社のアピールができる動線をつくりましょう。
- 展示パネルの配置:自然なルートで歩けるように見る順番がわかるようにする
- 来場者のストレス軽減:歩行や移動にストレスを感じないように十分なスペースを確保する
- サインや案内:パネルに矢印や番号を付けたり展示品をリリース順に並べたりする
- 商談席を設置:商談席を最後に設置することでより自然な流れにする
まとめ
展示会では、たくさんの来場者の中からターゲットに向けて適切なアピールができるかどうかが成功のカギとなります。来場者はさまざまな企業の展示ブースを回遊するため、自社ならではのポイントを押さえて訴求する必要があります。
今回ご紹介した内容や事例を参考に、集客力のあるブース設営を目指しましょう。